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「シャーペン君」-3

僕は後ろのヤツに問いかけているのにと思い、

少しむっとしながら、もう一度問いかけてみた。

「あの、僕の後ろの方、何か知っている事って有りませんか、

僕の後ろに居るって事は、僕より長くここに居るって事ですよね」

「馬鹿だな、後ろに居るって事は古いとは限らない。

先入れ先出しで、商品を並べるときは、古いやつを手前に持ってくるのが常識さ」

また、遠くの方から返事が来た。

しかも、少し僕を馬鹿にしている。

でも、腹を立てたりはしない、

腹を立てるとお腹の中の細い芯に悪い気がするし、

世間知らずなのは事実だから馬鹿にされても仕方が無いと思う。

それにしても、なぜ直ぐそばに居る連中は口をつぐんだままなのだろう。

仕方なく遠くのヤツと会話してみる事にした。

「あんたさあ、ここは古いのかい」

「たぶんあんたよりは古いんだろう。

それでもまだ一日二日しか経っちゃあいないよ。

お前さんは今朝来たばかりだろう」

「ああ、今朝運ばれてきて、箱からやっと出たら、

いきなり踏み潰されそうになって、

それでも何とかここにぶら下げてもらったってとこさ」

「俺は、ボールペンだけど、あんたは何だね」

「ぼくは、シャープペンシルだよ」

「へー、大変だなー」

「何だよ、何が大変なんだい」

「え、だって、シャープペンシルって、中身の芯が折れやすいし、

頭の中に消しゴムが付いてて、どっちもしょっちゅう出し入れとか、

こすられたりとかするんだろ」

「まあ、たぶんそうだろうけど、ぼくはまだ人に使われたことが無いから、

実際のところは分からないよ。

それよりボールペンて言うのも大変じゃないかい」

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