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「シャーペン君」-4

「さあ、どうかな。

俺もまだ使われたことは無いけど、

あんまり頭をはずされたりはしなさそうだし、

インクはたっぷり詰まってるから、そうそう簡単に無くなりそうには無いしな、

シャーペンよりはだいぶマシだろう」

「そういうものかな、

確かにシャーペンの芯で書かれた文字は頭の消しゴムで消せるから、

せっかく一生懸命身を削って書いても、

あとで消されるかもしれないと思うとむなしいものもあるな」

「おい、うるさいぞ、筆記用具ってな、無口なものと決まってんだ、静かにしてろよ」

別のところから文句を言われ、ぼくらは黙り込んだ。

確かに筆記具はあまりしゃべるべきではない。

暫くするとお客が来て、ぼくの手前の一本を手にとって買い物籠に放り込んだみたいだ。

店内に陳列されたと言っても、ぼくはまだ奥の方にぶら下げられているから、

今ひとつ店内の様子が見えない。

もう少し我慢していればそのうち前の方の者達が全て売れて、最前列になるだろう。

そうすれば店内の様子も良く分かるに違いない。

黙ってただぶら下がっている時間が過ぎていく。

コンビニというところは時間の感覚が無い場所だ。

いつでも明るくて、いつでも人がいる。

「おーいシャーペン、元気でな。俺は買われていくぜ」

会話を交わしてからずいぶん日にちが経っていたと思うが、

ボールペンのヤツが売れたみたいだ。

「がんばってこいよ、またなー」と送り出す。

そのときにはぼくの前にはまだ2本のシャーペンが並んでいたから、

ヤツの姿は良く見えなかった。

それからまた長い時間が経ち、ついにぼくが最前列になった。

確かに視界は良好になったけど、それほど広い範囲が見渡せるわけではなかった。

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