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「シャーペン君」-7

「ぼくがボールペンではないと言うなら、何なのだいったい」

それから暫くは、自分が何なのか考えたけれど、

考えても何も分からないから、そのうちにそんな事は忘れ去ってしまった。

それから長い月日が流れた、

ぼくの中のインクはかなり少なくなってしまった。

もう直ぐインク切れで書けなくなってしまうだろう。

もう直ぐゴミ箱行きだろうと思っていた。

『もうすぐインク切れね、換えのインクって有ったよね』

『ええ、はいこれね』

『ありがとう』

ぼくの体がひねられて分解された。

ぼくの中の少なくなっていたインクが別のものに入れ替えられた。

『これって全体でボールペンだけど、

この中身は中身だけでも一応文字が書けるボールペンとして成り立つよね。

それじゃあ外側は、インクの部分を取り去ったら、これって何なのかしらね』

『何ですか、ちょっと哲学的な質問ですね。

でも外側だけだと確かに何物でもないかもね』

確かに、ぼくはボールペンではなくボールペンの外側に過ぎなかったのだ。

文字を書いていたのも結局は、先ほど捨てられた中身の部分だものな。

ぼくっていったい何なのだ。

そう、彼はボールペンの外側どころか、さらにその外に取り付けられたグリップだった。

-END-

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