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「ひとがみ」-3 

理解できなくても指は動くし、鶴は折れる。

そして鶴を折らなければ、

人の心の奥深いところを理解できない先生やみんなが、

自分を冷たいヤツと決め付けるだろうと分かるから鶴を折る。

授業が終わり、掃除も終わり、

やっと帰宅できる時間になってタケヒコは、

他の誰かに遊びに誘われる前にと大急ぎで学校を出て、

自宅までの途中にある山の上の神社を目指した。

タケヒコは何かの宗教を信じているというわけではなかった。

以前見たテレビドラマで不治の病を治す為に、

神社に御百度参りをすると病気が完治していたから、

どうしても治したい病人がいる時は

そうするものだと思っていたからだ。

神社は山の上と言っても山の頂上と言うわけではなく、

たいした御利益の無い有名でも無い神社だから、

あまりお参りしにくいのもダメだろうと、

山の中腹にあった前社を本殿として、

頂上の元々の本殿を奥社と改名し、

お参りは中腹の本殿でよしとしていた。

タケヒコも山の頂上まで登る気力はなく、

中腹まででよいからこそ学校の帰りに寄り道する事が出来た。

お百度というものがどういうシステムなのか、

タケヒコには分からなかったが百と言う言葉のイメージから

100回何かをすればよいのだろうと考えた。

100回何をするのだろう。

神社でする事は何なのか、それすら良く分かっていなかった。

それでも何となくテレビで見た風景の中で、

きれいな服を着た人達がでかい鈴がぶら下がった場所で、

手をたたいて頭を下げているのを思い浮かべる事が出来た。

 

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