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「ひとがみ」-8

気が付くと2人は砂漠のような何も無い大地に立っていた。

タケヒコは手を繋いだ相手に語りかけてみた。

「僕はタケヒコ、もしかしてユウヤなの」

返事はなかった。

相手のほうを向いても姿は見えない、

手を握っている感触が有るだけで姿も見えないし声も聞こえない。

ユウヤは誰かに手を握られていて、

その手から決して離さないという気持ちが伝わってきて、

不思議に思っていた。

何故この人はこんなに必死になっているのだろうと不思議に感じた。

「あなたは、誰ですか」

と問いかけてみるが返事は無いし手の感触は強いのに、

姿は見えなかった。

何も無い大地は砂に覆われていたから、

砂丘か砂漠のような場所だろうと思った。

二人は互いの姿が見えないまま、

握り合う手から伝わってくる何かしらの感情だけを頼りに、

互いの思いを汲み取りながら、

互いに相手が進みたいと思う方向に歩き出した。

相手が進もうとする方角を目指したから、

手を引っ張り合うことも無く自然とスムーズに前に進めた。

砂漠だか砂丘だかの広い大地は砂ばかりで

何を目指して進めばよいか分からない。

唯一の頼りは繋いだ手の相手。

相手が進む方角に自分も進む。

お互いにそう感じながら進んでいた。

どれだけの時間が経ったのか、

どれほどの距離を進んだのか検討もつかないが、

確かにかなりの距離を進んだと思ったとき、

前方にレンガの大きな壁が見えてきた。

 

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