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「ひとがみ」-11

周りの景色に見とれながらそのままずんずん進んでいくと、

どんどん辺りは暗くなり、

きらきらの水面ははるか彼方の頭上にあり、

周りにいた魚達は、どす黒い暗い者達に変わっていた。

それでもそのままずんずん進んでいくと前方に赤い光が見えてきた。

光を目標にずんずん歩く二人。

赤い光の周りからはたくさんの泡が吹き出していた。

赤い光は溶岩の光。

右か左にそれないとこのまま進めば溶岩の中で丸焼けになってしまう。

右か左か迷う二人。

迷いながらも足は止まらないみたいで、どんどん前進していく。

早く右か左に決めて曲がらなければならないけれど、

握った手の相手も同様に右か左か迷っているみたいで、

しかもなかなか意見が一致しない。

どんどんと溶岩が近づいてくる。

赤黒い光を放つ溶岩は地面から湧き出すように盛り上がり

周りの水を沸騰させてぶくぶくと大量の蒸気の泡を巻き上げる。

近づくにつれて蒸気の泡で視界がかすみ、

ぼやけた景色の向こうは赤黒い輝きを増し、

早く右か左に方向を変えるか立ち止まらなければとあせる。

しかし、握った相手の手を離すことは考えもしなかった。

ぎゅっと握った手は絶対に離したくなかったから、仕方ない。

溶岩の中にそのまま突っ込んでいく。

猛烈な熱気を感じたような気がするが、

暑さで体が焼け焦げたりはしなかった。

溶岩の中は明るく暖かく力がみなぎっていた。

溶岩の中なのに焼ける事は無く、

そのまま普通に歩き続ける事が出来た。

そして、外から見たどす黒い光の溶岩は、

その中ではオレンジ色に明るく光り輝いていた。

オレンジ色のまぶしい世界は、

何処までも続いているかのように果てしない感じがした。

進むにつれてオレンジ色は明るさを増し、白い光に変わって行く。

 

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