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「ひとがみ」-15

この二人は本当に助け合い続けられるのか。

数十年後、タケヒコは自分の寿命を見据えて、

今日のこの日を本当に悔やまないのか。

自分の寿命を友人に与える事を、今はそれを正しいと思えても、

自分の死を目の前にしてもそんなふうに思えるのか。

助けた私が恨まれるのではないか。

ユウヤは、それらの事をずっと負担に思って生きていけるのだろうか。

自分より先に死んでいくタケヒコをどんな気持ちで見守るだろうか。

ひとがみの悩み苦しみは、二人の中にも伝わった。

手を離そうとするユウヤ、絶対に離そうとしないタケヒコ。

心のつながりは体のつながりと同調して、苦しみを二人にもたらす。

花の香りに目を開き、やがてゆっくりと歩き始める二人。

本当の試練は、水の中や火の中に飛び込む事ではなく、相手を信じきること。

ひとがみが送り込む悲しみや苦しみの感情に耐えて相手を信じることは、

自分の死の恐怖と戦うのに等しい苦しみを与えていた。

死の恐怖、

自分の体を失う事への恐れ、自分が消え去る恐ろしさ。

ユウヤは手を離せば自分の死が間近なものとなり、

離さなければ友人の寿命を縮めてしまうという恐怖。

そして、その友人の願いは自分が生きることだから、

何としても生きていたいと思う。

タケヒコは、手を離せば友を失う。

離さなければ友の命を守る事が出来るのだから絶対に離せない。

しかし、離さなければ自分の寿命が縮んでしまう。

自分の寿命がどれほどなのか分からないから怖い気もする。

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