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「満員電車の攻防」-7

右から押され次には左から押され、

後ろからも押され始めて、

つかんでいたつり革では圧力を支えきれなくなるタケル。

仕方なくつり革を手放し座席に座る人に覆いかぶさりそうになりながら、

上部の荷物棚の一番手前の太いパイプに、右手をついて体を支える。

しかし圧力はさらに増して、

片手では支えきれなくて、小さなカバンを持つ左手を持ち上げて、

カバンを持ったまま荷物棚のパイプについて、両腕で体にのしかかる圧力に耐えた。

このままでは、前に座る人にのしかかってしまうと思ったとき、

タケルの後ろにいた人が、タケルが手放したつり革を掴み、

自分の体重を支えて、タケルにのしかかるのを止めてくれたので、

ずいぶん楽になった。

もう片手で十分支えられる状態だったが、

一旦上げた手を下ろせるようなスペースはなくなっていた。

電車が発車する時の衝撃的なゆれで、

少し離れた場所では人が将棋倒しになりかけた。

タケルもこんな混雑は、殆ど経験した事が無かったから、

少しわくわくするものがあった。

超満員電車、上げた手が下ろせない混雑。

軽い人なら宙に浮いたままかもしれない詰まり具合。

むかし、通勤ラッシュがもっと酷かった頃には、

こんな状態が日常だったと聞いた事がある。

いや、あの頃は人が無理やり押し込んで乗せていたと聞くから、

こんなものではなかったのだろう。

よくそんなギュウギュウ詰めで、人間が生きていられたものだと思う。

今の状態だって、十分殺人的だと思う。

次の駅では殆ど人が降りた気配が無く、

さらに誰かが乗り込みかけて尻込みし乗らないまま扉が閉まった。

この状況を見て、

いつもより早い時間だから混雑しているわけではなさそうだと考える。

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