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「恐竜君の人生」-2 

僕は大きな魚から逃れる為に川の上流へと昇った。

川幅が狭くなり水かさは減っていくけれど、

大きな魚は昇ってこられないから一安心だ。

上流の水は澄み渡り、冷たくて美味しいけれど、

餌になる物も少なくて、いつもお腹を空かせる事になる。

川のまわりを眺めると、沢山の植物が生えていて、

いろいろな虫が飛び回り、綺麗な花からは、甘い香りがしているみたいだった。

極まれに地上の食べ物が川の中に落ちて流れてくる事が有った。

食べるととても美味かった。

毎日お腹を空かせながら願った。

あの陸地に住む事の出来る生き物に生まれ変わりたい。

陸の上を動き回れる生き物になりたいと願っていた。

ある日を境に雨が降らなくなっていた。

川だと思っていた場所はいつの間にかただの水溜りになっていた。

日照りが続きだんだんと水がなくなっていく。

体が乾いて意識がだんだん遠くなる。

気が付くと、陸地をはって歩く小さな生き物になっていた。

願いが叶って、水の外でも生きられる生き物に生まれ変わったと喜んだ。

でも、地面はでこぼこしていて、短い手足では上手く歩けない。

おまけに日が照れば暑くて日陰から出られない。

それに虫達は小さくても強暴だった。

小さな生き物で、動きの遅い僕なんか、

油断していると小さな黒い虫たちが群がって、あっという間に食べられてしまう。

何とか地面のでこぼこに負けないくらいの長い手足と、大きな体が欲しいと願った。

次に生まれ変わるなら、もっと大きくて、

虫たちなんか蹴散らすほどの生き物になりたいと願った。

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