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「幸運」-6

僕が生きられるのは、世界に食糧を供給できるだけのいろいろな物が存在し、

それらのものから実際に食糧を生産し供給してくれる大勢の人達がいるから、

僕は毎日美味しいものを食べて生きられる。

 面白いテレビが見られるし、いろいろの芸術に触れられる。

いろいろな便利な機械や、身体を休められる場所や物を手に入れられる。

僕もその中の一部として、仕事をして、その分け前をもらい生活している。

 そして今日は僕の妹の結婚式の日だ。

妹は式場のある施設の近くのホテルに泊り込んで準備を整えている。

僕はただの兄貴にすぎないから、特別何も役目はないのだけれど、

沢山の人の祝福を受けて結婚する家族を見守るのは一つの大役だろうと思っている。

 式は正午きっかりに始められる。

僕たち家族は早めに施設に到着し、

親戚や友人を迎える準備をしなければならないが、

準備と言っても礼服に着替えて参加者が到着するのを待つだけの事だ。

それでも一時間以上前に会場に到着して、皆を迎えなければならない。

 軽くバナナ一本だけで朝食を済ませて家を出る。

会場の控え室には二時間前に到着した。

家族や花嫁となる妹と少しの雑談をして、

少し写真を撮ったりして過ごす。

一時間前になって花嫁と付き添いの母が花嫁の為の控え室に入る。

僕ら残りの家族は親戚達を出迎えに、玄関ホールにたむろする。

     ★

 私が施設に到着したのは、結婚式が始まる一時間前だった。

施設の玄関ホールにはすでに参加者達がたむろしている。

 私が彼らを眠らせるのは、爆撃が始まる十分前と決められている。

爆撃は正午ちょうどの予定だから、

午前十一時五十分には全員に眠ってもらわなければならない。

 

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