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「散歩の神様Ⅶ」-9

      ★

 俺は今日彼女からの手紙を手に、

彼女の実家近くまでやって来た。

手紙にはもう別れたいと書かれていたが、

俺としてはあまり納得できるものではなかった。

もっとも俺も別れることには同意なのだが、

理由と言うか考え方が気に入らない。

むしろ、俺を嫌いになったとか、

他に好きな人が出来たというなら素直に別れる気になっただろう。

だが、彼女からの手紙に書かれていた理由は、

俺が子供嫌いだからというものだった。

俺がまるで万里子をいじめているような言い方をされて、

納得などできるはずが無い。

躾の為に手を上げかけた事はある。

少し脅した事もある。

確かに俺は自分の子でもない子供を好きになれそうに無い。

だから、万里子の為にも別れるのが良い事ぐらい分かる。

しかし、手紙に書かれていた理由で別れたのでは、

俺だけが悪者だったと言う事になってしまう。

 納得できないから、素直に別れますとは言えそうにない。

でも、俺もさっさと別れてすっきりしたいと思っている。

 彼女の実家近くまで来たものの、彼女にはまだ会えないでいる。

会ってもらえないと言うのではない。

なにを話せばよいのか見当もつかないからだ。

 川沿いの土手下の道をとぼとぼと散歩しているとき、

わりと新しい神社を見つけた。

鳥居は歴史を感じるが、社は最近建てたようで、

立派な建物だが新品のようだ。

参道を進み御社の前まで行くと、初老の神主が姿を現した。

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