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「さまようコンビニⅡ」-8

 事情が分かったのは翌朝になってからだ。

一晩留め置かれた部屋は鉄格子の中だった。

任意のはずなのに俺は完全に容疑者として扱われていた。

その理由は俺の証言に大きな嘘があったからだ。

いや、俺は正直に事実を話したのだが、その様な事実がありえないから、

結論として俺は嘘をついている事にされた。

 俺は、立嶋を殺害した犯人は山崎孝信に間違いないと思ったから、

山崎が犯人だと証言した。

何しろ俺は、山崎が

立嶋の死体発見現場から出てくるところに遭遇したのだから間違い無い。

俺は正直にそのときの状況を話し、

ぶつかった山崎に声をかけたが知らん顔で歩き去ったと証言した。

 警察はその点が怪しいと言う。

何度も繰り返し俺が見た人間は山崎に間違いが無いかと問い質した。

俺は山崎には立嶋を殺害する動機があることも話した。

だがどうしても信じてもらえなかった。

それどころか、

俺が嘘の証言で元部下の山崎に罪をかぶせようとしていると思われてしまった。

 山崎孝信は、我が社から五百キロ以上離れた街で

コンビニでの万引きで逮捕されていた。

つまり、立嶋殺害の時刻には犯行現場に決して居られるはずが無かったのだ。

 俺がうその証言をしていた事や、

凶器の果物ナイフに俺の指紋が付いていた事。

そして、殺害時刻の数十分前に立嶋と電話で話をしており、

社内に居た別の社員の証言で、

立嶋が俺を脅すような会話をしてい事が分かったことから、

電話で脅されて呼び出された俺が

立嶋を殺害したのに間違いないという事になってしまった。

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