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「ゲームのマ王Ⅲ」―8

「このフワフワした白い中を進むのがゲームなのかい」

「いえ、ですからゲームの始まる手前の世界です。

ゲームを始めるにはあなたの夢が必要です。でもなかなか見つかりません」

「私の夢が必要だって言われてもね、夢らしいものはとっくに捨ててしまったからな」

「夢を捨ててしまったんですか、もったいない事しますね」

「仕方ないだろう。体力が無くてまともな仕事に就く事も出来なくて、

人より優れた感性があるわけでもないし、変に夢なんて見ないほうが楽なんだから」

「でも、体力を強くしたいとか、何か才能が欲しいとか、そんな夢ももてないんですか」

「体力を付けるのは、ある程度体力のある人が思う事だよ。

鍛えようとして運動すると翌日酷い事になる」

「でも、今日も散歩に出かけたじゃないか」

「あの程度の散歩は大丈夫だよ、往復で30分くらいだからね。

それでも結構へたばってるからね」

「そうですか、

でも普通病気で死に掛けている人ですら何か夢を持っているものなんですよ。

まったく何も夢がないのはとても珍しいですよ。

逆に凄い人かもしれませんね」

 夢がないのが凄いだなんて、

ちょっとカッコよくないかなどと思ったときだった。

前方に何か見えてきた。

「よかった、やっと見つかりましたよ。

珍しいですね深層心理に近い場所に夢が隠されているなんて」

 少年はそう言うと、見えてきた何かに向って突き進み始めた。

私の手を握り締めたままだから、私も一緒に突進する。

その場所は古い大きな屋敷の図書室。

壁一面の書棚に沢山の本が並べられている。

これが私の深層心理に隠された夢の世界だと言うのか。

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