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「広い家に住む為に」-1 

 テレビのバラエティー番組で、

「もし、今の知識を持ったままで、やり直せるとしたら何歳からやり直しますか」

と言う質問に、お笑い芸人が、

「小学生からやり直して、天才少年になって、ちやほやされたい」と答えていた。

子供の頃貧乏でいじめられていた私は、

小学生からのやり直しなど想像もしたくないと思った。

小学生の私が多少知識を持っていたところで、

貧乏な家庭が裕福になるとは思えない。

むしろ知識がある分余計に貧乏が辛くなるように思えた。


 私が小学生の頃父は、俺の子供の頃はもっと貧乏だったと言っていた。

だから子供の私が貧乏を嫌だと言い、貧乏を辛いと言っても、

子供の頃は貧乏なのが当たり前だ、

これくらいの貧乏は昔に比べればたいした事は無いと叱られた。

それから何年も経って、二十歳を過ぎたばかりの頃、

居酒屋で父と同年代の男と知り合って話し込んだ事がある。

「子供の頃はそんなに貧乏だったのかい、

でも私らの年代の人間が子供の頃に味わった貧乏とはだいぶん違うだろうね」

「ええ、まあそうでしょうね。

うちの親父もよく言ってました。

子供の頃なんて貧乏なのが当たり前だって」

「いやいや兄さん、お父さんの年代だと貧乏は当たり前だけど、

兄さんくらいの年だと、たいていはそれなりに良い暮らしをしてただろう。

兄さんの貧乏はどんなもんだったんだい」

「どんなって、まあ一番つらかったのは、風呂かな。

週に二回行かせてもらえれば良い方だったから、

友達にもいやな顔されていたな。

後は、おやつってものを食べた事はなかったし、

食事が一日給食だけてことも良く有ったな。

おもちゃが欲しくて駄々をこねても、何も買ってもらえなかったし」

「なるほどね、そりゃあ俺達よりずいぶんつらい子供時代だったかもな」

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