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「広い家に住む為に」-12

「まあ、そうでしょうね」

「やっている事は同じでも、理由次第で違う事になってしまうのか。

もし自分だけが食べるつもりで野菜を作っていたとしても、

出来上がってからその野菜を人に分け与えたら、

その人は他の人のために働いた事になるよな。

でも、畑を耕していた時には人に与えるとは思っていなかったとしたら、

他人のために何もしていないから、働いていない事になるのか」

「いや」

「だから、他人との関わりとか、人と比べてとかそんな事で、

自分の行為の評価を変えるべきではない。

自分の幸せを他人と比べて何になる。

大きな家に住みたければ大きな家を作るという仕事をすれば良い。

それだけの事だ」

「だから、そんな風に言った所で、所詮材料を手に入れるにも、

土地を手に入れるにもお金が必要なんです。

やはり金を稼がなければ無理って事ですよ」

「家を建てる方法もいろいろ。金を稼ぐ方法もいろいろ。

広い家に住む方法もいろいろ。夢をかなえる方法もいろいろ有るさ」

何を言ってるんだお気楽なと思い、握り締めた自分のこぶし越しに、

鬱陶しい事を言う男の顔を睨んだ。男は微笑んでいた。


 気が付くと男の姿は消えていた。

何処かへ立ち去ったのではなく、消えて無くなっていた。

私は、男が神か何かではないかと考えた。

そうでなければ、隠れる所の無いこの場から、

急に姿を消す事など出来ないだろう。

それに私の夢は何かと問い質し、

夢をかなえる方法はいろいろあるなどという言葉にも、

何かの暗示を感じさせるものが有った。

あの男が神的なものであるならば、今の言葉は神のお告げだろう。

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