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「広い家に住む為に」-16 

 とりあえずコンビニで百五円のパンを二個購入し、近くの公園を目指す。

公園には水のみ場があるから、パンをかじり水を飲んで空腹とのどの渇きを癒す。

パンを一個だけ食べてまた歩き出す。

都会に向けてとぼとぼと歩く。

電車を使っても良いと思うが、お金よりも時間の方がたっぷりとあるから、

とりあえず時間の方を使って都会へと向う。

 幾つかの橋を渡り、

幾つかの公園を通り過ぎて大都会のど真ん中の公園にたどり着いた。

公園には私のような考えの人達がうようよしているように思える。

身なりは私よりまだマシな人達も居るけれど、

みんなお金が無くて今夜泊まる場所も無い感じに見える。

うろついたりベンチで座り込んだり寝そべったり。

 私も辺りをぶらついて、空いているベンチを見つけて座り込んだ。

夕方日が暮れる頃になると、炊き出しが始まった。

どうやらここに居れば食事の心配は要らないみたいだ。

 残っていた一個のパンは、見つからないように上着の内ポケットにしまいこみ、

炊き出しの暖かい味噌汁とお握りを受け取った。

おにぎりはちゃんとラップにくるんであって、

大きさはたぶんどんぶり一杯分はありそうなでかいもので、

握っている様子を見ると、のりの佃煮とか梅干が入れられている様子だ。

味噌汁は栄養バランスを考えてか、具沢山なものになっている。

一応割り箸も配られて人間らしい食事になっている。

むしろ昔の貧しい子供の頃より贅沢な食事だろう。

ありがたいことだけど、ただで配られる食事がこれだと、

働く気をなくしてしまいそうだ。

少しくらい人間らしさを無視するところが無いと、

反骨精神も生まれないじゃないかと変な事に文句をつけながら美味しく頂く。

いや、何かに文句をつけないと精神的にいたたまれないのだと思う。

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