fc2ブログ

「広い家に住む為に」-18 

 民生委員は、ボランティアのようなもので、

交通費程度が支給されるだけだから、

なり手も少なくなっているらしく私の世話を焼いてくれている方も、

人助けを自分の使命と思っている人のようだ。

「助かりますよ、実際働ける体でありながら働く気のない人が多くて、

そんな人を助けても虚しいんですよ。

あなたのようにやる気のある方だと、こちらもやりがいがあって、嬉しいですよ」

「はあ、そんなもんなんですか。

でも僕も少し前まで自暴自棄になってました。

両親を急になくして、世の中が虚しくなってしまって、

酒におぼれるようになってしまって」

「そうだったんですか、大変ですね。ご両親様は事故か何かで」

「いえ、母は病気でした。

父は、母が亡くなると突然姿を消してしまって、

行方不明なんですが、僕としては亡くなったのも同然と言うか、

元々居なかったようなものです」

「お父様とは何かいさかいがおありになるんですか。

御免なさい、立ち入った事を聞いてしまって」

「いえ良いんです。

父は昔から働かない人で、母の収入を当てにして生きていました。

母が働いて稼いできた金で遊び歩いたりしていて、

昔から居なくなれば良いと思っていました」

「それじゃあ辛い子供時代をすごされたんですね。

でも、人生まだまだこれから長いですから、

きっとこれからは良い事が沢山有りますよ」

「はい、ありがとう御座います」

「それでなんですが、まず職安で登録していただけますか。

仕事を探している事がいろいろ公的な支援を受ける上での条件になります」

「はい、分かりました」

「それで、住居なんですが、

公営の下宿屋みたいな場所がありますので、空きを確認します。

空いていれば、直ぐにでも入居できるはずですが、どうなさいますか」

「はい、よろしくお願いします」

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

フリーエリア
カレンダー
04 | 2024/05 | 06
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -
リンク
最新記事
カテゴリ
最新コメント
検索フォーム
QRコード
QRコード