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「広い家に住む為に」-26

 一度失敗した事で少しは勉強のやり方も気合の入れ方も変わり、

とにかく平日仕事が終わって帰宅してからの時間を大切に使い、

最低一時間の勉強時間をノルマとした。

平日に頑張って勉強する習慣がつくと、

不思議と休日の集中力も高まり、勉強の効率も上がった。

 トータル約二年間の勉強の成果が出てくれて、

二回目となる試験ではぎりぎりで合格点を取る事が出来た。

でも、それで浮かれたのが不味かった。

合格が嬉しくて、先輩に自慢げに話したのが良くなかった。

先輩の中に同じく行政書士の試験を受けた人がいて、

その人は何回目かの挑戦なのに今回も不合格だったのだ。



 翌日会社に出社すると、私の机の上に大量の書類が積まれていた。

どうしたものかと思ったが、

とりあえず詰まれた書類を端に寄せて確保したスペースで何とか仕事を始めた。

「おい、こんなに書類を出しっぱなしにしてどうする。

必要なものだけその都度取り出して、使い終わったらすぐに片付ける。いいね」

と先輩に怒鳴られる。

「すみません、直ぐに片付けます」

と謝って、書類を書棚に片付け終わると、別の先輩がやって来て、

「ここに置いてた書類はどうした」とたずねられる。

「はい、今片付けました」

「何してくれてるんだ、せっかく必要な書類を選び出して置いていたのに。まったくお前は」

「はあ、すみません」

「もう良いよ、まったく人の仕事の邪魔しやがって」と言って先輩は立ち去る。

 必要な書類だったんなら立ち去らずに、

今すぐにもう一度選び出せばいいじゃないかと思ったが、

単に言いがかりをつけて、私をいじめているんだと感じて、反論はしなかった。

 我慢していればそのうち飽きて、いじめなんかやめてくれるだろうと考えていた。

少し甘かった。

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