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「広い家に住む為に」-31

 結局たいていの場合、私が勉強不足でバカでした。

先生は何も悪くありませんを貫かなくてはならないから、

精神衛生に非常に悪い事になる。

だからこそホームレス暮らしの経験が役に立つ。

回り全てから馬鹿にされても平気でいられる根性が必要で、

これが仕事と割り切れるだけの精神力が大切だ。

 それでも頭を低くして頑張っているうちに、

政治家の支援者から私を好きになり信頼し、

応援してくれる人も出来てくるから、

それなりにやっていて良かったと思う事もある。

最初の数年は秘書とは名ばかりといった感じの雑用係。

徐々に政治の世界の話にも参加出来る様になり、

秘書らしい仕事をさせてもらうようになったある日、私は先生から呼び出された。

「おまえ、今歳は幾つになったかね」

「はい、今年四十歳になりました」

「そうか。四十歳は政治家としてはまだまだ若造だが、

お前は苦労してきただけ有って、なかなかしっかりした面構えになってきたようだ。

もう十分政治家としてひとり立ちできるだろう。

どうだ、市議会議員に立候補しないか」

 暫く先生の顔を見つめてしまった。

「あ、あの、私がですか」

「そうだ、市長のわしとしては、議会の中に出来るだけ味方が欲しい。

お前が市議会議員に当選すれば、当然わしの強い味方になってくれるだろ。

それに、お前も良く働いてくれているから、わしの後援会の評判も良い。

君ならきっと当選できるだろう」

 気の短い先生の性格からして、ここでしり込みするようなことを言えば、

叱られるし嫌われる事は分かっているから、素直にお受けする事にした。

「はい、ありがとうございます。

市議会議員となって先生のお役に立てるようがんばりたいと思います」

 選挙は、市議会議員選挙と市長選との同日選挙だった。

先生は市長に当選し、私は市議に当選した。

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