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「永田町」-2

 あまり頭が良いとは言えない僕は、苦労して何とか東京の大学にもぐり込んだ。

両親は共働きで、一人っ子の僕は大切にされて、

悪い事でなければ、かなりの我がままを聞いてもらえた。

だから、親戚のおじさん達からは、甘やかされているとよく言われたが、

僕としてはそんなつもりは無い。

 東京の大学に合格し、東京で一人暮らしをしたい言うと、

両親そろって悲しいような悔しいような嬉しいような複雑な顔を見せた。

一人息子の独立心を嬉しく思う気持ちと、離れて暮らす寂しさと、

いろいろの思いが混じった表情だったのだろうと思う。

 甘やかされて育ったつもりはないが、

親元を離れて一人暮らしをしたいと言い出す事自体が、甘えなのかもしれない。

でも、両親が共働きだったから、子供の頃から一人で過ごす事が多くて、

一人で何でもこなしていたから、

一人暮らしを始める事への不安や寂しさは少なくて、

むしろ一人で見ていたテレビの中の東京という都会への憧ればかりが強かった。

僕としては都会へ出る事は当たり前の事と思っていた。

 両親は平凡な人達だけど十分な収入があり、僕が大事な一人息子だから、

東京での一人暮らしに十分な金額の仕送りをしてくれる。

 東京で大学生の一人暮らしと言えば、バイト生活だと思っていたが、

十分な仕送りのおかげで、バイトの必要はなかった。

そして、サークル活動などにも興味がなかったから、

大学に入学して直ぐ出来た友達と、都会の街並みを散策して歩いた。

 そんな僕らの事を、軟派ばかりしていると噂する人達もいるみたいだが、

あくまで僕らは街中を散策して歩くだけだった。

 実際友達の一人に女嫌いだと言い張っている男がいて、

街で女性に声をかけるという事を極端に嫌っていたから、

仲間で行動する時に軟派はさせてもらえなかった。

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